あおば百景

地区一覧

(C) あおば百景を探る会

防風ネットに囲まれた樹齢600年のかやの木

 小黒公園より剣山スポーツセンターにゆく道筋(黒須田経由)に、大場坂上のバス停があり、傍にかやの木公園がある。かやの木は樹齢600年、開発で移植されて、衰えを見せたところから養生のために防風ネットが周りに建てられ、言わばドックイン中といったところである。

防風ネットに囲まれた樹齢600年のかやの木

 もともとはこの一帯は、大場川に沿う谷戸であり、近くに大場富士塚遺跡(縄文早期、弥生中後期、歴史時代)のあるごとく古代から人が住んで来たが、最近の宅地開発の波に呑まれて土地整整備事業が行われ、その一環としてこの公園ができ、樹齢600年のかやの木が移植された。土地整備事業のため、その碑と榧の由縁の碑も建てられている。

 公園には老人のためのゲートボール広場とこどもの遊戯場がある。広さがあるので、夏は盆踊りの会場となり、また近くの諏訪神社の秋祭りの場となり、出店で賑わう。公園の一画には遊水池があって、平素は子供らの野球場、またサッカー競技場になっている。

 このあたりは台地であったので、今でも丹沢山塊の上の富士の嶺がよく見える。それで近くに富士塚があって、その名を冠した大場富士塚遺跡(縄文・弥生の土器出土)があったが、壊されて大場富士塚公園になっている。同じく中里地区の黒須田川寄りに、黒須田・前田遺跡(縄文前期、古墳)があったが、土地整備事業によって今は黒須田前田公園になっている。

(文: 山本 文義, 写真: 宝田 国人)