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古墳を再現したみたけ台公園

みたけ台公園

 祥泉院の前にあるみたけ台公園は、佐藤春夫が「田園の憂鬱」で称賛した丘陵の上にあって、僅かにその面影を止めている。この丘陵も谷本川の流域にあって、みたけ台中学、杉山神社にかけての一帯は祥泉院遺跡として開発の際に発掘された。公園にはグランドと段差をつけたスペースに遺跡を思わせる円墳をかたどった土盛りがある。周囲には雑木林を残し、竹林も桜もあって自然に親しめるようになっている。

古墳を再現したみたけ台公園

 ここで発掘された遺跡については、壊されていた掲示の看板が修復されたので読めば分かるが、市立博物館で調べてみると、縄文早期・中期の竪穴住居跡や竪穴状の遺構、弥生後期から古墳時代前期初頭にかけての住居跡、更に歴史時代の柱穴群が発掘されている。

 つづく丘陵の柿の木台第1・第2・第3公園のあたり一帯は上谷本第二遺跡として発掘され、縄文中期・弥生後期・古墳時代の住居跡に横穴墓、更に歴史時代の住居跡や時代不詳の製鉄跡など多数の遺物が検出された。これは対岸の稲荷前古墳群に隣接の寺下遺跡とほぼ同じである。谷本川両流域の青葉区の台地は縄文、弥生、古墳、更につづく歴史時代の遺跡にも恵まれているにもかかわらず、殆どが破壊されている。同じ遺跡があると調査された対岸の矢崎原遺跡(上鉄1774付近) が今後開発される場合は保存したいものである

みたけ台公園に咲く花
(文: 山本 文義, 写真: 宝田 国人)