あおば百景

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國學院大學たまプラーザキャンパスと万葉の小径

 東急田園都市線の開通で、一番の拠点であった青葉台が東急デパートが撤退し、二番手の拠点のたまプラーザ駅周辺が青葉区における東急の最大拠点となって、有線テレビやFMラジオが出来るなど街づくりの整備が進んでいるようだ。

 たまプラーザ駅の西側には、東急デパートやイトーヨーカ堂が並んで競い、レストランをはじめ商店街がひしめいている、言わば商店街の顔である。デパート・スーパーの前の道を鷺沼への沿道に桜が植えられて春の桜見が楽しめるし、また駅前から柿生への道の沿線にはアキニレの並木が美しく、西側地域は区最高の地価に相応しい景観である。

 一方、東側には有線テレビやFMラジオに國學院大學たまプラーザキャンパスがあり、情報・文化の街の顔と言える。國學院大學たまプラーザキャンパスの校門の右手の歩道の両側には万葉関連の草木が植えられて、その名札を読んで巡るのが楽しい「万葉の小径」である。校門の前に良く知られている彼岸花があり、その花の名と万葉集に歌われた歌も添えられている。古名はイチシ、歌は「路の辺の壱師(いちし) の花のいちしろく人皆知りぬわが恋妻は」。このようにして、草木の名の新旧を知り、関連の万葉の歌もたのしめる。

 この校舎で毎年秋に万葉の花の会が開かれ、万葉に関連した草木の講義があるが、昼には赤米と万葉植物のオカズのついた万葉弁当を食べてこの万葉の小径を案内してもらい、棗が実っていて取って食べたことを思い出す。

 なお、校門の左手にある保育の短期大学との境界の道を下ると、両側は桜の並木があり春には桜の名所となるので、その機会に「万葉の小径」を歩くのも良い。

 このキャンバスでは、地元のために春秋二回、無料の教養講座が4日間(半日)開かれるが、受講すると楽しい。また年一回、これまた無料の狂言(山本流)が2日間(半日)開かれる。渋谷の本校OB会主催の古事記研究会に入っていて、招待券を貰ってカブリツキで観たが面白かった。他に古事記などの有料の公開講座もあり、地元との便宜を図ってくれており、地元としても大学をもっと活用すべきであろう。

(文: 山本 文義)