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横穴石室を再現の赤田西公園

 あざみ野駅より剣山行き(みすずが丘経由)バスで江田駅北停留所で降りると、直ぐ傍に赤田西公園がある。江田駅西口より歩いても近い。古くは赤田と呼ばれた起伏のある地形で住宅開発によってできた。開発地の公園がそうであるように、遊水池を兼ねた多目的グランドがある。学校建設予定の遊休地が隣接しているので、建物がなく一帯は広大である。

赤田西公園

 この公園の特色は、このあたり一帯の赤田遺跡群より移した赤田2号古墳の横穴石室が再現され、展示されていることである。泥岩に掘られた6世紀後期の、径が約20mの円墳である。その石室から発掘された勾玉、管玉などが標識に記されていて、古代史の勉強になる。7世紀後半に、この地域は武蔵国都筑郡家の中心となったところであり、古墳群との関係が興味深い。近くに小黒谷遺跡があったが、その跡地の小黒公園にはその様な標識はない。開発者に遺跡を守る社会的責任が欠如されていたと言わざるを得ない。

赤田2号墳
赤田2号墳 パネル

 なお、赤田遺跡群は縄文早期・中期・後期、弥生後期、古墳後期、歴史時代にわたり、地域も町名ではあざみ野2、3とあざみ野南1、2、3及びみすずが丘1、3地区と広範囲にわたるのに、保存されているのはわずかにレプリカの横穴石室一つである。

(文: 山本 文義, 写真: 宝田 国人)